遺跡へのアクセス
上神主・茂原官衙遺跡は、JR石橋駅の北方約3km、JR宇都宮線と北関東自動車道が交差する地点東側の宇都宮市茂原町と上三川町上神主にまたがって所在しています。土地は宇都宮市と上三川町の所有となっており、山林として管理されています。遺跡へは北側と南側から行けますが、現地に駐車場はありません。
遺跡の現況と周辺文化財
北関東自動車道の側道から高架下を通って遺跡へ行くことができます。道路の北側、宇都宮市の茂原地区には茂原観音堂(写真右)があります。北関東自動車道の北側も遺跡ですが、国の史跡への指定はされておりません。
北関東自動車道の高架下を過ぎると、政庁域へ辿り着きます。政庁が見つかった場所は、現在は草原になっており、遺跡の総合案内板が建てられています。総合案内板の横から遺跡内へ入ることができます。南へ進むと正倉域へ辿り着きます。遺跡内は、徒歩での散策をお勧めします。
上神主地区内を通る町道から遺跡へ行くことができます。道路の南側には、全長46mの前方後円墳を中心とする古墳時代後期に造られた後志部古墳群(写真右)があります。
誘導板に沿って北へ進んでいくと、二股に分かれる路地があります。右側へ進むと、遺跡へ辿り着きます。左へ進むと、古墳時代後期に造られた全長40mの上神主狐塚古墳(写真右)があります。なお、これより先は道が険しいため、車での通行はお勧めしません。
先ほどの二股の路地を右へ進むと、浅間神社の鳥居が見えてきます。浅間神社(写真右)は、古墳時代中期に造られた径58mの円墳の上に建てられています。これより先の森が遺跡となります。遺跡内は徒歩での散策をお勧めします。
遺跡内には町道が通っており、森に入ってすぐのところに遺跡の総合案内板が建てられています。この付近は官衙の外側に当たり、散見される土の高まりは古墳です。
・古代東山道跡
浅間神社古墳の北側には東山道の痕跡を見ることができます。溝状の凹みが遺跡東側の水田へと続いています。
道路を北側へ進むと、西側に草原が広がります。このあたりが正倉域です。アスファルト舗装が終わる辺り(写真右)で人名文字瓦を葺いていた瓦葺建物が見つかっています。ちょうど、宇都宮市と上三川町の境目に当たります。北へ進むと政庁域に辿り着きます。
遺跡東側(写真左)は水田地帯が広がっています。官衙が台地上に造られていたことがよく分かります。西側(写真右)も若干低地となっています。写真は八脚門があった付近です。
遺跡の環境
遺跡は低台地上にあり、現在は平地林として地元の方々によって管理されています。遺跡内を散策していると、四季折々の風景を楽しむことができます。この遺跡の森には、豊かな植生のもと、キツネや野うさぎ、キツツキなどの野生動物も多く生息しています。このような平地林は年々減少してきており、文化財と自然環境の両面から、ふるさとの貴重な財産といえます。