ヒトパピローマウイルス(HPV)は、ヒトにとって特殊なウイルスではなく、多くのヒトが感染し、そしてその一部のウイルスが原因で子宮頸がん等を発症します。100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50~70%は、HPV16、18型感染が原因とされています。HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは自然に検出されなくなりますが、一部が数年から十数年間にかけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。子宮頸がんは国内では年間約11,000人が発症し、年間約2,900人が死亡すると推定されています。
HPVワクチンは、平成25(2013)年4月1日から定期予防接種として公費での接種が始まりましたが、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が見られたことから、平成25(2013)年6月14日付の厚生労働省の勧告により、ワクチン接種の積極的な勧奨を差し控えて参りました。
しかし、今般国の「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」において、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開に向けて検討がなされ、令和3(2021)年11月26日付厚生労働省からの通知により、「積極的な勧奨の差し控えを終了する」ことが決定いたしました。
本町でも、対象者に対して、順次個人通知を発送いたします。
小学校6年生から高校1年生相当の女性
・上三川町では、子宮頸がん予防ワクチンの積極的な勧奨の差し控えによって接種機会を逃した方に対し、公平な接種機会を確保する観点から、キャッチアップ接種を実施することとなりました。キャッチアップ接種の実施期間は令和4年4月1日から令和7年3月31日までの3年間です。接種開始から完了まで6か月ほどかかりますので、まだお済でない方は早めに接種をしましょう。
【対象】平成9(1997)年4月2日から平成20(2008)年4月1日までに生まれた女性。
・接種に際して特段の手続きは必要ありませんので、接種医療機関へ直接お問い合わせください。
キャッチアップ接種対象者 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
平成9(1997)年4月2日~ 平成18(2006)年4月1日生まれ |
○ | ○ | ○ |
平成18(2006)年4月2日~ 平成19(2007)年4月1日生まれ |
定期接種 (高校1年生相当) |
○ | ○ |
平成19(2007)年4月2日~ 平成20(2008)年4月1日生まれ |
定期接種 (中学3年生) |
定期接種 (高校1年生相当) |
○ |
※過去に1回又は2回接種したことのある方は、残りの回数のみ接種が可能です。
HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します(pdf 2.05 MB)(厚生労働省作成)
接種費用は無料です。※定期接種及びキャッチアップ接種の対象者以外は任意接種となり、有料となります。
決められた間隔をあけて、同じワクチンを決められた回数接種します。2回目の接種時期が異なりますので、ご注意ください。どちらのワクチンを接種するかについては、医療機関とご相談ください。接種完了までには6か月程度の期間が必要ですので、余裕をもって接種してください。
サーバリックス(2価):1回目の接種から1か月以上の間隔をあけて2回目を行った後、1回目の接種から5か月以上、かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔をあけて3回目を行います。
ガーダシル(4価):1回目の接種から1か月以上の間隔をあけて2回目を行った後、2回目の接種から3か月以上あけて3回目を行います。
シルガード9(9価):
※「令和6年度上三川町健康カレンダー」予防接種のページ(10ページ)もあわせてご覧ください。
※「9価のHPVワクチンを公費で接種できるようになりました(定期接種版(pdf 790 KB)・キャッチアップ版(pdf 694 KB))」もあわせてご覧ください。
◇HPVワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐといわれています。
◇HPVワクチン接種後には、多くの方に、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。
厚生労働省作成のリーフレット等を参考に、HPVワクチンの効果と接種による副反応のリスクを十分に理解し、必要に応じて医師とよく相談していただき、接種の有無を判断してください。
「HPVワクチンについて知ってください(概要版)(pdf 3.36 MB)」
「HPVワクチンについて知ってください(詳細版)(pdf 3.95 MB)」
◇予防接種を受けることができない場合
・明らかな発熱がある
・重い急性疾患にかかっている
・子宮頸がん予防ワクチンの成分によって、アナフィラキシー様症状ほかの過敏症をおこした
・その他、医師が予防接種を受けない方がよいと判断した
【対象者】
次のすべてに当てはまる方
1.平成9(1997)年4月2日から平成17(2005)年4月1日生まれの女子であること
2.令和4年4月1日時点で上三川町に住民登録があること
3.定期接種の対象年齢を過ぎて、令和4年3月31日までに日本国内で子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス(2価)またはガーダシル(4価))の接種を受け、実費負担したこと
※定期接種の対象年齢とは、小学6年生から高校1年生相当です。その間に3回接種を受けている方は対象になりません
※シルガード9(9価)の接種は助成対象外となります
4.助成を受けようとする接種回数分については、キャッチアップを受けていないこと
【申請方法】
ヒトパピローマウイルス感染症に係る任接種償還払い申請書兼請求書(別記様式第1号)(pdf 175 KB)に必要事項を記入し、次の添付書類を添付の上、町子ども家庭課へ提出してください。
《必ずご提出いただく書類》
1.接種記録を確認できる書類(母子健康手帳、接種済証など)の写し
2.申請する方のご本人確認できる書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
※上記1の書類を紛失等の理由で用意できない場合は、実施した医療機関が発行する「ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種償還払い申請用証明書(別記様式第2号)」をご提出ください。
様式は以下からダウンロードいただくか、町子ども家庭課窓口でお渡しすることができます。
「申請用証明書(別記様式第2号)」(pdf 88 KB)
《なくても申請可能な書類》
次の書類は添付いただかなくても申請可能ですが、その場合上三川町の基準単価により助成額を決定します。
3.接種費用の支払いを証明する書類の原本(領収書、明細書、支払証明書などの原本)
※接種を受けた医療機関が発行する「ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種償還払い申請用証明書(別記様式第2号)」(pdf 88 KB)に接種費用が記載されている場合は、そちらをご提出いただくことも可能です。
(注)申請用証明書(別記様式第2号)の発行は、申請者から接種を受けた医療機関に直接ご依頼ください。ただし、申請用証明書発行の際に文書料が必要となる場合がありますが、発行にかかる文書料は助成の対象外となりますので、ご了承ください。また、医療機関での記録の保存期限が過ぎている等の理由で、申請用証明書の発行ができない場合がございます。
【助成額】
○上記3の領収書等を提出できる方・・・自己負担した額を支給いたします(支給上限額あり)【申請期限】
令和4年10月1日から令和7年3月31日まで
HPVワクチンの接種を受けた場合でも、免疫が不十分である場合や、ワクチンに含まれている型以外の型による子宮頸がんの可能性はあり得ますので、20歳になったら、定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。