本遺跡の南東部からは、役所に取り付けられたような古代の道路跡が確認されました。この道路跡は、周辺の調査状況などから古代の国道であった東山道と考えられます。東山道は都と東北地方を結ぶ幹線道路として、古代国家にとって非常に重要なものでしたが、本遺跡は地方役所としてこれに深く係っていた様子をうかがうことができます。
道路跡は南側の浅間神社古墳の周溝を通り、切通し部を経て、台地から低地へと降りています。低地部分では崖面を削った土で幅10mの路面を作った状況も、発掘調査で確認されました。なお、南への道路の進行方向については、南へ進むか南西へ進むか議論がありましたが、平成18(2006)年から平成19(2007)年にかけて実施した発掘調査によって、古墳群中を抜けながら南西方向に進んでいくことが確認されています。
- 遺跡南東部の東山道跡
- 東山道跡と考えられる遺跡南東部のくぼみ