役所のほぼ中心部からは、カタカナの「コ」の字型に配置された、3棟の大型掘立柱建物が発見されました。南面する正殿[せいでん]を中心に、東西に脇殿[わきでん]を配したもので、中央は広々とした庭となっています。この配置は古代の役所の特徴的なもので、政庁[せいちょう]と呼ばれる様々な儀式や郡内行政の実務などが行われた場所と考えられます。正殿、東西脇殿の3棟による範囲は東西70m、南北45mにも及びます。正殿と西脇殿は一度の建て替えが確認されており、正殿と西脇殿で構成されるL字状の配置時期から3棟による「コ」の字状の配置時期への2時期の変遷が考えられています。なお、政庁の南正面には円墳が位置しており、意識的な建物の配置をしていたことがうかがえます。
また、政庁の北側には多くの掘立柱建物跡が確認されており、官衙に関連する建物が並んでいたと考えられます。
- 政庁域の調査時の写真(北が上)
- 政庁・北方建物群の復元イメージ図